私の敬愛する漫画家、JETさんの作品で『綺譚倶楽部』という連作があります。その中のひとつのエピソードのラストで、主人公が表題のセリフをつぶやきます。そのシーンでの「海」の意味するものは私の見た瀬戸内海とは違うものですが、小さな小さな瀬戸内海を見るたび、このセリフが私の胸を何度も往復して、木霊のように生と死のイメージが膨れあがります。
秋の初めの瀬戸内は夕暮れでも明るく、フィルムで撮影できました。MZ-SにPENTAX FA77mm F1.8 Limitedをつけて撮影。フィルムはKodak ProFoto XL 100です。現像とデータ化は西村カメラにお願いしました。