フィルム
空を横切る多くの影は、私の世界のエッジであると感じる。
足下にもきれいな色と光。
花が少しずつ浮びあがってくる。
たくさん働いて、たくさん食べる。その生活が合っているように思う。
近くに変電所があるので、鉄塔がたくさんある。
風に揺らいでふわふわしていた。
雨の日の光は夜も照らす。
何年も暮らしている町でも、知らない花が咲いている。
揺れてがちゃがちゃ言う。
明日の方向。
光に向かって歩いていきたい。
湖面にゆらゆら。
引きよせられる。
水の流れが見える。
水を守っている。
散りしいた葉もあざやか。
私に見えない光も水面にはひとしく降りそそぐ。
上った人の足音が聞こえた。
出発しよう。
髪に挿したい。
たくさんいた。
葉の一枚とその間から。
見るともなしにぼんやり見ている。映画は『パリ、テキサス』だった。
目をそらさないで。
あふれだす生命。
暗い日には太陽も暗く翳る。
太陽があって、その光は雲を超えて私のもとに届く。
色を失っても若々しい。
美しい波のあと。
水の上のボタニカル。